はじめに
般若心経は非常に短い経典ですが、これは仏教全体の結論を端的に現わしたことになるようです。もっとも仏教と言いましても、原始仏教と中世の仏教と、現代の日本仏教とでは非常な違いがありまして一口には言えませんが、般若心経の五蘊皆空、色即是空、究竟涅槃という思想は、小乗、大乗仏教全体...
般若心経は現世から出ることをやかましく言っています。彼岸へ渡れと言っている。彼岸へ渡るのですが、彼岸は何処にあるのか、彼岸とはどういうものか。彼岸の内容はどういうものかについては、ほとんど説明していないのです。これが般若心経の欠点です。...
皆様はいろはカルタの中の、「袖すりあうも他生の縁」というのをご存知でしょう。袖ふれあうも他生の縁とも言います。たくさんの人が歩いていると、お互いに袖をふれあう時があります。 袖ふれあうも他生の縁の中の他生という言葉がおもしろいのです。他生とはどういうことかと言いますと、人生...
般若心経にある般若波羅蜜多ということは、彼岸へ渡る上智です。彼岸へ渡るとはどういうことか。これが般若心経では説明していません。 般若心経の一番最初に、観自在菩薩とあります。自在とは、初めからあるという意味です。 自はおのずからという読み方と、みずからという読み方と二つありま...